マルチシグとは
- 読み: まるちしぐ
- 英語: Multisig,Multi-signature
概要
複数の署名を必要とすることでセキュリティを強化する暗号資産取引の承認方式です。
詳細
マルチシグ(マルチシグネチャ)は、暗号資産における取引承認方式の一つです。従来のシングルキー方式では、取引を有効化するために一つの秘密鍵によって署名が行われますが、マルチシグではあらかじめ設定した複数の秘密鍵のうち一定数以上の署名を集めることで取引を承認します。一般的には『m-of-nスキーム』と呼ばれ、例えば3つの鍵のうち2つ以上の承認があれば取引を実行できる2-of-3方式などがあります。この仕組みにより、単一の秘密鍵が漏洩してもすべての署名を集めなければ資金移動ができないため、ハッキングリスクを分散し、企業の共同管理やエスクロー、コールドウォレット運用などに広く利用されています。ビットコインではP2SHアドレスを介して実装され、イーサリアムではスマートコントラクトを活用したマルチシグコントラクトが主流です。さらに、DeFiプラットフォームやDAOのガバナンス運用にも活用され、資産管理の透明性と信頼性向上に貢献しています。
関連用語
- ウォレット
- 秘密鍵
- 公開鍵
- ブロックチェーン
- スマートコントラクト